ハピネス 桐野夏生

 

ハピネス (光文社文庫)

ハピネス (光文社文庫)

 

 

<概要>
VERYでの連載が単行本に。

あこがれのベイエリアに住む主人公は、3歳の女の子を持つ専業主婦。
しかし、同じエリアのママ友との付き合いに、悩みは尽きない。
海外赴任中の夫からは、一方的に離婚を申し込まれている。
義父母からは自立を迫られ、、、。
徐々に明らかになる、ママ友各々の秘密、歪み。
「みんなそれぞれ大変だなぁって」


<感想> 
・人の生活ぶりを羨ましく思っても、その実は嘘かもしれないし、大変さがあったりする。
 だから、表に出ている部分だけを見て、羨ましく思うものじゃないな。

・堂々としていればいい。
 全身ユニクロでも、軽自動車に乗っていても。
 人生の実をとる選択を。

桐野夏生からの、「経済的、精神的に、自立なさい」というメッセージを感じた。
 物語のママたちは、ほぼ専業主婦。
 夫からの愛、経済的援助が途絶えると、とたんに窮地に陥ってしまう。
 仕事を持っていればエライとか、専業主婦こそ勝ち組とか、そういった対立ではなくて、
 なんかもっとこう、人としての自立を目指さないとなと思った。

・ややネタバレですが、主人公の夫が海外赴任から一時帰国するシーンがあって、
 そこの何気ない描写が、「あぁ~、男の人が家に居るって、こんな感じだよねぇ」と、
 結構リアルで、自分の夫を思い出しましたw
 久しぶりに主人公、夫、娘の三人で手を繋いで歩いて、、、、というような、
 「幸せだなぁ、、、」とほっとする瞬間があって、救いがある物語で読んで良かったです。

・ただ、「ハピネス」の続編が、「ロンリネス」という題でVERYで連載されているらしいので、
 一瞬休戦状態(?)になった物語は、またダークな世界でジメジメと続いているのかな、、、。
 と不安に・・・。
 単行本早く出ないかな~(小説は基本的に単行本で買いたい派です)